2008年秋 物理学会シンポジウム(領域6、5合同)

「超イオン導電体と溶融塩の接点: 構造とイオンダイナミクス」

 超イオン伝導体と溶融塩とに共通する話題、特に溶融塩中での局所・中距離構造の
出現と超イオン導電体への転移、超イオン導電体ガラスへのガラス転移に関する合同
シンポジウムを行う。
 最近のX線や中性子線による溶融塩やガラスの構造解析は大きく進歩し、詳細な最
近接構造のみならず、中距離秩序や多体相関の情報を含めた立体的なイオン配置の
情報が得られている.その結果、均一と思われていた液体中にも様々な秩序構造が
存在し、それが凝固後の結晶やガラス状態での高イオン伝導性発現と関係している
事が指摘されている。
 これらの実験事実は、第一原理量子力学計算においても支持され、更に可動イオン
間に化学結合が存在し集団運動する可能性も指摘されている.これらの、最新の構造
解析とイオンダイナミクスの実験データ、および第一原理計算などを第一線の若手・
中堅研究者から報告いただき、それを基に領域5の液体グループと領域6の超イオン
導電体グループとの領域を越えた議論の機会を設けたい。

(前半座長 東北大多元研 河村純一)
1.
 溶融相およびガラス相における貴金属イオンのイオン伝導性と構造揺らぎ
 九大院理 川北至信
2.
 貴金属ハライド添加カルコゲナイドガラスにおけるイオン伝導と構造
 山形大理 臼杵毅
3.
 超イオン導電体と融体の第一原理シミュレーション
 熊大院自然 下條冬樹

(後半座長 広大院総合科 梶原行夫)
4.
 イオン伝導ガラスの非弾性中性子散乱
 原研 新井正敏
5.
 イオン性液体の非弾性X線散乱
 広大院総合科 乾雅祝
6.
 銀カルコゲナイドガラスのミクロ相分離
 東北大多元研 桑田直明
7.
 室温イオン液体のダイナミクス
 京大院理 八尾誠


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